1.3.2 買主提示型

(買主)●●株式会社(以下「甲」という。)と(売主)●●株式会社(以下「乙」という。)は、甲乙間における以下に定める売買対象物(以下「本件目的物」という。)の売買を継続して行うにあたり、その基本的条件を定めるため、以下のとおり売買取引基本契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条 (適用範囲)

1. 本契約は、甲乙間で締結される本件目的物の個別売買契約(以下「個別契約」という。)の全てに適用する。

2. 個別契約の内容が、本契約と異なるときは、個別契約が優先するものとする。

第2条 (個別契約)

1. 本件目的物の品名、仕様、規格、数量、単価、代金の額、発注日、納入期日、納入場所及び代金支払期日等は、甲乙協議のうえ、個別契約で定めるものとする。

2. 個別契約は、甲が前項の取引内容を記載した注文書を乙に交付し、乙がこれを承諾することにより成立する。

3. 前項にかかわらず、注文書の交付の日より7日以内に乙の諾否の回答がないときは、乙は、甲の発注どおり承諾したものとみなす。

4. 甲は、仕様変更その他必要があると認めたときは、書面による通知のうえ、個別契約の内容を変更することができる。

5. 前項の変更により、乙に損害及び特別の費用が発生した場合は、乙の申し出により、甲乙協議のうえ補償内容を決定する。

第3条 (納入)

1. 乙は、個別契約に従い、甲の指定する納品書を付し、本件目的物を納入する。なお、乙の都合により、納入に関する条件を変更しようとするときは、事前に甲の書面による承諾を得なければならない。

2. 乙は、納入期日までに本件目的物の全部又は一部を納入できない事由が発生したとき、若しくはそのおそれがあるときは、直ちにその理由及び納入予定時期等を甲に通知し、甲の指示に従わなければならない。

3. 乙が、甲に対し納入期日前に本件目的物を納入しようとするときは、事前の甲の書面による承諾を得なければならない。

4. 乙の責に帰すべき事由により、納入期日に本件目的物が納入されない場合、甲は、乙に対し、これにより被った損害の賠償を請求できるものとする。

第4条 (検査)

1. 甲及び乙は、個別契約の成立に先立ち、本件目的物の検査に関する基準を協議のうえ定めるものとする。

2. 甲は、本件目的物の納入後、●日以内に前項の検査基準に基づいて本件目的物を検査し、乙に対し、合格又は不合格の通知を行わなければならない。通知がなされないまま、前項の期間が経過したときは、本件目的物が検査に合格したものとみなす。

3. 甲は、前項の検査により、本件目的物につき瑕疵又は数量不足等を発見したときは、乙に対し、直ちに理由を記載した書面をもって、不合格の通知を行わなければならない。

第5条 (不合格品の取扱い)

1. 乙は、前条第2項の検査の結果、不合格となった本件目的物(以下「不合格品」という。)については、甲の指示に基づいて、甲の費用負担で代替品を納入又は不合格品の修理等を行い納入しなければならない。

2. 前項にかかわらず、甲は、不合格品が些細な不備によるものであり、乙の工夫により使用可能と認めるときは、甲乙協議し、値引きを条件として、当該不合格品に限り、乙に対し、書面により当該不合格品を特別に採用する旨の意思表示をしたうえで、これを引き取ることができる。

第6条 (所有権の移転時期)

本件目的物の所有権は、第3条に規定された本件目的物の納入の時点で、乙から甲に移転するものとする。

第7条 (危険負担)

天災地変等の不可抗力その他甲及び乙のいずれの責にも帰すことのできない事由により、本件目的物の滅失又は毀損等の損害は、次条に規定された本件目的物の代金支払の完済時をもって区分し、完済時までの損害は乙が負担し、それ以降の損害は甲が負担するものとする。

第8条 (代金支払)

1. 甲は、本件目的物の代金を、納入期日の属する月の末日に締め切り、乙に対し、翌月末日までに、甲の指定する金融機関の口座に振り込む方法により支払うものとする。振込手数料は、甲の負担とする。

2. 甲又は乙は、相手方から支払いを受けるべき金銭債権を有するときは、甲又は乙は、いつでも当該金銭債権と前項に定める代金とを対当額で相殺することができる。

第9条 (品質管理)

1. 甲は、本件目的物に関する法規制及び安全規格に従って、個別契約を履行するものとし、乙が要求する品質を確認するとともに、これを実現するための品質管理体制を確立し、維持するものとする。

2. 甲は、本件目的物の品質に影響を及ぼすおそれのある製作工程、原材料、設計又は品質水準を変更する場合は、事前に乙に対して通知するものとする。

第10条(クレーム補償責任)

1. 甲は、次の各号のいずれかに該当する乙の責に帰すべき不良品及び本件目的物に起因して付随的に不具合の発生した物品(以下「不良品」と総称する。)により損害を被った場合は、別に定めるクレーム補償期間内に限り、乙に対し、書面で通知し、その補償を請求できる。

(1) 市場に出る前に発見された不良品

(2) 市場に出た後に発見された不良品

2. 前項の補償期間後といえども、甲が、甲又は甲の納入先の製品の機能に重大な影響を及ぼすと認定したクレームが発生した場合には、引き続き乙が補償の責を負う。

第11条(クレーム認定)

前条に基づくクレーム補償の請求時までに、甲が認定すべき内容は、次の各号とする。

(1) 不良品の存在及びその内容

(2) 不良品に対する乙の責任及びその範囲

(3) 不良品により甲の被った損害及び乙の負担割合

第12条(クレーム補償内容)

前条の認定に基づき、甲は、乙に対して、代替品の納入、修補費用又はその他の一切の費用を請求することができる。

第13条(支払方法)

乙は、甲より前条に基づき費用の請求を受けたときは、原則としてその月の末日までに、甲に対してその請求額を支払う。

第14条(不良品の返却)

甲は、原則として、乙に対し、不良品の返却は行わないものとする。

ただし、乙が不良品の返却を必要とする場合には、甲乙協議のうえ、取扱いを決定するものとする。

第15条(製造物責任)

1. 甲及び乙は、本件目的物に関し製造物責任法第2条第2項で定める欠陥が存在していることが判明した場合、又はその可能性がある場合には、速やかに相手方に通知し、甲乙協議のうえ、解決するものとする。

2. 本件目的物の前項の欠陥に起因して、本件目的物又は本件目的物を組み込んだ甲の製品が第三者に対し損害を与えたことのより、当該第三者から甲に対して損害賠償請求がなされ、甲がこれを支払った場合、甲は、乙に対し、当該欠陥と相当因果関係のある損害(弁護士費用及び調査費用等を含む。)の賠償を請求することができる。ただし、当該欠陥が設計に関する甲の指示に従ったことにより生じ、かつ当該欠陥が生じたことにつき乙に過失がなかった場合は、この限りではない。

第16条(補修用部品の供給)

1. 本件目的物又は本件目的物を組み込んだ甲の製品等について、甲が製造又は販売を中止する等により、甲乙間において本件目的物について取引を行わなくなった後においても、甲が補修用部品として本件目的物又は本件目的物を構成する部品等の購入を希望するときは、乙は、甲にこれを供給するものとする。ただし、供給の期間、価格等は甲乙協議のうえ定める。

2. 乙は、生産中止により補修用部品を供給することが困難になると認められるときは、事前に甲に対し通知し、甲の承諾を得るものとする。

第17条(知的財産権等の侵害)

乙は、本件目的物に起因して、第三者との間に産業財産権、著作権又は回路配置利用権等(以下「知的財産権等」と総称する。)に関する権利侵害等の紛争が生じたときは、乙の責任と負担において当該紛争を処理解決するものとする。ただし、当該紛争が、甲の具体的指示等の甲の責任に起因する場合はこの限りではない。

第18条(権利義務の譲渡等禁止)

甲及び乙は、あらかじめ書面により相手方の承諾を得なければ、本契約又は個別契約で生じた自己の権利又は義務を、第三者に譲渡したり、承継させたり、又は担保に供してはならない。

第19条(機密保持)

甲及び乙は、本契約の期間中はもとよりその期間終了後においても、取引関係を通じて知り得た相手方の営業上及び技術上の秘密を相手方の書面による承諾を得ないで、第三者に対して開示又は漏洩してはならない。

第20条(通知義務)

乙は、次の各号のいずれかに該当する事実が生じたとき、又はそのおそれのあるときは、直ちに甲に通知しなければならない。

(1) 営業の譲渡、合併、その他経営上の重要な変更

(2) 商号、代表者、本店又は重要な組織の変更

(3) 第22条第1項各号に掲げる事項

第21条(任意解約)

甲及び乙は、6か月の予告期間をもって本契約を解約することができる。

第22条(契約の解除)

1. 甲又は乙は、相手方が次の各号のいずれかに該当したときは、催告その他の手続を要しないで、直ちに本契約及び個別契約の全部又は一部を解除することができる。

(1) 監督官庁より営業の取消又は停止等の処分を受けたとき

(2) 支払停止もしくは支払不能の状態に陥ったとき、又は手形交換所から警告もしくは不渡り処分を受けたとき

(3) 第三者より差押え、仮差押え、仮処分、その他強制執行もしくは競売の申立て、又は公租公課の滞納処分を受けたとき

(4) 破産、特別清算、会社更生又は民事再生の手続開始の申立てをなし、又はなされたとき

(5) 信用資力の著しい低下があったとき、又はこれに影響を及ぼす営業上の重要な変更の事実があったとき

(6) 解散の決議をし、又は他の会社と合併したとき

(7) 災害、労働争議等、本契約又は個別契約の履行を困難にする事項が生じたとき

(8) 株主構成又は役員等の変動等により会社の実質的支配関係が変化し、従前の会社との同一性がなくなったとき

(9) 相手方に対する詐術その他の背信的行為があったとき

(10) 相手方が暴力団をはじめとする反社会的勢力であると判明したとき又は相手方が暴力的要求行為もしくは法的責任を超えた不当な要求を行ったとき

2. 甲又は乙は、相手方が本契約の各条項又は個別契約に違反し、相当の期間をおいて催告したにもかかわらず、当該期間内にこれが是正されないときは、本契約及び個別契約の全部又は一部を解除することができる。

3. 甲又は乙は、前2項に基づき本契約または個別契約の全部又は一部を解除した場合は、これにより被った損害の賠償を相手方に請求することができる。

第23条(期限の利益の喪失)

甲又は乙が前条第1項各号のいずれかに該当したとき、または前条第2項に定める契約の解除がなされたとき、相手方に対する一切の債務について、催告その他何らの手続を要することなく、当然に期限の利益を喪失し、直ちに相手方に弁済しなければならない。

第24条(残存条項)

本契約が期間満了もしくは解除等により終了し、又は個別契約が解除等により終了した場合でも、第6条ないし第8条、第10条ないし第19条、前条及び本条の規定はなお有効とする。

第25条(損害賠償)

甲及び乙は、相手方の本契約又は個別契約の違反により損害を被ったときは、相手方に対し、その損害の賠償を請求することができる。

第26条(有効期間)

本契約の有効期間は、契約締結の日から1年間とし、期間満了の3か月前までに甲又は乙のいずれからも書面による終了の意思表示がない限り、本契約は同一内容で更に1年間継続更新されるものとし、以後も同様とする。

第27条(協議解決)

甲及び乙は、本契約及び個別契約に定めのない事項、又は本契約もしくは個別契約の条項の解釈について疑義が生じた事項については、別途協議して解決するものとする。

第28条(専属的合意管轄)

甲及び乙は、本契約又は個別契約に関して生じた紛争については、●●地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意する。

以上、本契約締結の証として、本契約書2通を作成し、甲乙署名又は記名及び捺印のうえ、各1通を保有する。

平成●年●月●日

甲 東京都●●区・・・

●●●●株式会社

代表取締役 ●● ●● 印

乙 東京都○○区・・・

株式会社○○○○

代表取締役 ○○ ○○ 印