8.1.1 事業譲渡契約書(譲渡人提示型)

(譲渡人)●●●●株式会社(以下「甲」という。)と(譲受人)株式会社○○○○(以下「乙」という。)は、甲の事業を乙に譲渡するにつき、以下のとおり事業譲渡契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条 (事業譲渡)

甲は、乙に対し、平成●年●月●日(以下「譲渡期日」という。)をもって、・・・に関する事業(以下「本事業」という。)を、第2条以下の条件に従い譲渡し、乙はこれを譲り受ける(以下「本事業譲渡」という。)。

第2条 (譲渡物件)

本事業譲渡に伴い、甲が乙に対して譲渡する物件(以下「譲渡物件」という。)は、譲渡期日現在における別紙譲渡物件目録記載の各物件とする。

第3条 (譲渡価格及び支払い)

1. 本事業譲渡の価格は、金●円とする。

2. 乙は、甲に対し、譲渡期日に、第7条に定める各事項が成就していることを条件とし、かつ譲渡物件の引渡しと引き換えに、前項記載の金員を、別途甲が指定する銀行口座に振り込む方法により支払うものとする。振込手数料は、乙の負担とする。

第4条 (譲渡物件の引渡し)

1. 甲は、乙に対し、譲渡期日に、第7条に定める各事項が成就していることを条件とし、乙による前条第2項記載の金員の支払いと引き換えに、譲渡物件をそれぞれの所在地において引き渡す。

2. 前項に基づく譲渡物件の引渡しにより、譲渡物件に係る甲の全ての権利、権限及び地位が乙に移転するものとする。

3. 譲渡物件のうち、対抗要件具備等のために通知、登記、登録又は相手方の承諾等の手続を要する物件については、譲渡期日後、速やかに甲乙協力して行うものとする。

4. 前項の手続に要する費用は、乙の負担とする。

第5条 (従業員)

1. 甲は、乙に対し、譲渡期日に、本事業に従事する甲の従業員のうち、譲渡期日の前日までに乙に転籍することに同意した者を、転籍させるものとする。

2. 前項に基づいて転籍させる従業員の雇用契約の条件等については、譲渡期日までに甲乙協議のうえ定めるものとする。

第6条 (表明保証)

1. 甲は、乙に対し、本契約締結日及び譲渡期日において、以下の各号が真実かつ正確であることを表明し、保証する。

(1) 甲の本契約締結日における財務諸表が完全かつ正確に作成されていること

(2) 甲の本契約締結日における財務諸表に記載されていない簿外債務等が存在しないこと

(3) 本契約締結日から譲渡期日までの間に、保証行為その他の通常の商取引以外の行為により、財務内容に変更を加えないこと

(4) 本契約締結日において、甲に関する民事訴訟、民事執行、民事保全もしくは民事再生等の法的手続又は公租公課の滞納処分等の強制徴収手続が現に存在せず、かつ発生するおそれもないこと

(5) 譲渡物件について、瑕疵及び担保権等の負担が存在しないこと

2. 前項の表明及び保証に甲の違反が存在したときは、乙は甲に対し書面により通知を行い、違反の程度に応じて、本契約の全部又は一部の解除を行うことができる。この場合でも乙の甲に対する損害賠償請求を妨げない。

第7条 (前提条件)

甲及び乙は、以下の各号の条件を満たす義務を負うものとする。

(1) 甲が譲渡期日までに本契約の締結及び履行につき、株主総会及び取締役会の承認を得ること

(2) 乙が譲渡期日までに本契約の締結及び履行につき、取締役会の承認を得ること

(3) 「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」所定の届出及び同法所定の期間を経過すること

(4) 本契約につき、関係官庁の承認が必要な場合は、その承認を得ること

第8条 (善管注意義務)

1. 甲は、譲渡物件の引渡しが完了するまで、善良なる管理者の注意をもって譲渡物件の管理運営を行わなければならない。

2. 甲は、乙の事前の書面による承諾なしに、譲渡物件に重大な変更を加えてはならない。

第9条 (競業避止義務の免除)

甲は、乙に対して、本事業譲渡にかかわらず、会社法第21条第1項の競業避止義務を負わないものとする。

第10条(秘密保持義務)

1. 甲及び乙は、本契約に基づき相手方から知り得た情報については、本契約の存続期間中はもとより、本契約終了後といえども事前に相手方の書面による承諾を得ることなく、第三者に開示又は漏洩してはならない。ただし、本契約の履行のため、公認会計士又は弁護士等の専門家に開示することはこの限りではない。

2. 前項の秘密保持義務は、以下の各号いずれかに該当する場合には適用しない。

(1) 相手方から開示を受けたときに既に自ら所持していた情報

(2) 相手方から開示を受けたときに既に公知又は公用であった情報

(3) 相手方から開示を受けた後に自らの責めに帰すべき事由によることなく公知又は公用となった情報

(4) 相手方から開示を受けた後に、開示された情報と関係なく、独自に開発した情報

(5) 第三者から秘密保持義務を負うことなく合法的に入手した情報

第11条(解除)

1. 甲又は乙が、第4条第1項又は第3条第2項に定める自己の義務に違反し、相手方が書面により履行を催告したにもかかわらず、当該書面の到達後●営業日以内に当該違反が解消されない場合、相手方は、本契約を解除することができるものとする。

2. 譲渡期日までに、第7条各号に定める条件が成就しない場合、甲及び乙は、相手方に対し書面により通知することにより、本契約を解除することができるものとする。

第12条(損害賠償責任)

甲又は乙は、解除又は本契約に違反することにより、相手方に損害を与えたときは、相手方に対し、その損害の全て(弁護士費用を含む。)を賠償しなければならない。

第13条(準拠法)

本契約は、日本法に準拠し、同法にしたがって解釈されるものとする。

第14条(協議解決)

甲及び乙は、本契約に定めのない事項または本契約の条項の解釈について疑義が生じた事項については、別途協議して解決するものとする。

第15条(専属的合意管轄)

甲及び乙は、本契約に関して生じた紛争については、●●地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意する。

以上、本契約締結の証として、本契約書2通を作成し、甲及び乙が署名又は記名及び捺印のうえ、各1通を保有する。

平成●年●月●日

甲 東京都●●区・・・

●●●●株式会社

代表取締役 ●● ●● 印

乙 東京都○○区・・・

株式会社○○○○

代表取締役 ○○ ○○ 印